Cognition Cafe Grand Menu

Cognition Cafeにお越しいただきありがとうございます。

皆さんは「認知機能が低下する」という言葉を聞いて、何を思い浮かべますか?

多くの方は「認知症」とともに、「物忘れが多くなる」「日付や曜日を思い出せなくなる」など、主に記憶の障害を思い浮かべるのではないでしょうか。

または、「高齢者に多い」「脳の老化現象」など、年齢に伴い進行するものとお考えになるかもしれません。

しかしながら、「認知機能」とは、さらに広く、そして身近なものなのです。

Cognition Cafeとは、医療従事者のみなさんに認知機能【Cognition】を「知り」「学び」「考える」きっかけをお届けするオンラインカフェスペースです。

2022年8月30日の開設以来、専門医の先生方を始め多くの医療関係者の方にご覧頂いております。このGrand Menuでは、Cognition Cafeで過ごすお時間をより有意義なものにして頂けるよう、また認知機能について知って頂き、学び、考えるきっかけとなるような情報をまとめています。

ぜひご覧いただき、一緒にCognition Cafeを盛り上げて行きましょう。

認知機能【Cognition】とは?

物事を正しく理解し、適切に実行するための脳の機能です。また相手の考えを理解する、気持ちを察するなど社会生活にも関連しています。
  • 感覚と知覚: 見たもの、触ったものを認識する
  • 運動能力: 手や足、体全体を動かす
  • 注意と集中: 一つのことを続ける、話を聞く
  • 記憶: 物事を記憶し、思い出す
  • 遂行機能: 物事を計画的に行う
  • 処理速度: 情報を理解し、行動に移す
  • 言語能力: 人の言葉を理解し、言葉で自分の意思を伝える
  • 社会認知機能: 相手の顔や声色から感情を読み取る、相手の意図を推測する

認知機能はなぜ低下する?

疾患や加齢のみならず、日常生活にも原因が潜んでおり、それぞれが複合的に影響を及ぼします。
  • 疾患の罹患
    統合失調症、双極症、うつ病、発達障害、脳梗塞などの脳の疾患
    パーキンソン病やアルツハイマー型認知症などの神経変性疾患
    感染症 など
  • 特定の種類の薬剤の投与
    抗コリン作用を持つ薬剤、ベンゾジアゼピン系薬剤 など
  • 加齢
  • 睡眠障害
  • 食事の偏り

認知機能はなぜ重要?

脳の各機能を制御して、 日常生活をよりよく過ごすためには欠かすことができないものです。

医療の観点では、精神疾患の治療ターゲットとして、薬物治療ばかりでなくリハビリテーション領域でも注目されており、医療従事者が正しく理解し、質の高い医療の提供が望まれます。当事者の日常生活を改善するために必要な専門職の役割や知見を学ぶことはとても重要です。

本サイトが精神科医師・リハビリ医師・看護師・心理士・ケアスタッフなど認知機能改善に携わる多くの方々やこれまで「認知機能」になじみのない方々へ認知機能を知っていただくきっかけとなれば幸いです。

参考文献

  • Harvey PD. Dialogues Clin Neurosci. 2019;21:227-237.
  • 水上勝義 薬剤による認知機能障害 第105回日本精神神経学会総会シンポジウム
  • 橋本 通子ら.スクリーニングテストからみた認知機能と食生活の関連. 日本未病学会雑誌. 2022;28:34-42.
  • Uchino T, et al. Psychiatry and Clinical Neurosciences. 2022:76;429–436.
  • Fortier-Brochu E, et al. Sleep Med Rev. 2012;16:83-94.
  • こころの病気を知る(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/index.html

認知機能に関するマエストロを目指してもらえるようにより専門的なコンテンツを紹介していきます。Advancing Cognition Understanding in MENtal illness (ACUMEN)by the World Federation of Societies of Biological Psychiatry (WFSBP)

プログラムチェアーのご紹介

Lakshmi N. Yatham 教授 (ブリティッシュコロンビア大学・カナダ)Lakshmi N.Yatham教授は、カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学精神医学科の精神医学教授です。現在は WFSBPの会長 兼Canadian Journal of Psychiatryの編集長。
また精神医学の地域責任者であり、バンクーバーコースタルヘルスアンドプロビデンスヘルスケアのメンタルヘルスと依存症の地域プログラムメディカルディレクター。
サウダービジネススクールにてヘルスケアのエグゼクティブMBAを取得、国際双極性障害学会の会長、世界生物学的精神医学会連合 (WFSBP) の事務局長など、国内および国際的な専門組織の指導的お立場としてご活躍されています。

Eduard Vieta 教授 (バルセロナ大学・スペイン)Eduard Vieta教授は、バルセロナ大学の精神医学教授です。現在、スペインのメンタルヘルス研究ネットワーク(CIBERSAM) の科学ディレクターでありながら、ホスピルクリニックにおける精神医学および心理学科の主任、双極性障害の臨床ケア、教育、研究の世界的リーダーのお一人です。スペインで最も優れた精神科医(Monitor sanitario、El Español) に2度も選出、バレンシア大学から名誉博士にも選ばれております。マクリーン病院とハーバード大学の招聘教授、欧州大統領府の神経科学科学顧問を務められたご経験から現在、欧州神経精神薬理学会 (ECNP) の 会計係を務めおり、過去 8年間で双極性障害の分野で世界で最も引用された科学者として世界で最も影響力のある科学者のお一人としてご活躍されています。

ACUMENとは

WFSBPが作成した14モジュールからなる認知機能に関するe-learning プログラムで、EACCME®が認証した生涯教育用コンテンツです。Yatham 教授およびVieta教授が、統合失調症および双極性障害の認知機能領域の世界的専門家にインタビューし、実臨床に役立つ最先端の内容が紹介されます。

現在公開中のACUMEN

Kamilla Miskowiak 教授
(コペンハーゲン大学、デンマーク)

Gin S. Malhi 教授
(シドニー大学、オーストラリア)

Richard S.E. Keefe 教授
(デューク大学、アメリカ)

今後順次動画配信されますので認知機能に着目することの重要性、
日常診療での認知機能との向き合い方をエキスパートと共に一緒に考えましょう。

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認知機能改善に携わる多くの方々に、認知機能に関する情報を知って頂くための書籍・文献のご紹介ページです。精神科医師・リハビリ医師・看護師・心理士・ケアスタッフなど認知機能改善に携わる多くの方々に、認知機能をより知って頂くために認知機能に関する書籍や文献をご紹介しております。

ご紹介中の書籍

統合失調症患者と家族が選ぶ社会復帰をめざす認知矯正療法著者:高橋太郎ほか 出典:幻冬舎メディアコンサルティング統合失調症の患者さんの社会復帰を後押しする、認知矯正療法の詳細について実際の治療の様子や治療の効果を高めるメンタルケアや患者さんとの接し方などについて解説されています。

メタ認知トレーニングをはじめよう!MCTガイドブック著者:石垣琢磨 出典:星和書店「基礎編」と「実践編」に分け、「基礎編」でMCTと認知行動療法の基礎、統合失調症やうつ病、その他の各疾患への導入について、「実践編」で様々な職種のトレーナーが日常臨床における実践法を解説しています。

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